高次が、買い物に誘ってくれて

買い物に一緒に行って


他の誰といるときよりも、何倍も楽しいと思った


だけど、それがまだ好きにはなれなくって



どうしても、昔好きだった人のことが忘れられなくて

仕方ない。


未練は、あっちゃいけないのかもしれない。


でも 今までさんざん好きだった人をいきなり嫌いになれ

って言われても無理。


「みっちゃん〜」

「え、何キモイよ」

「ごめん」


誰よりも素直


誰よりも一緒にいて楽しい




誰よりも、私のそばにいる


「でも、高次ならみっちゃんって呼んでもいいよ」

「まじ?やったぁ!」


高次の喜んだ顔・・・


久しぶりに見た。


普段私は意地悪ばかりで、


滅多に喜んだりしなくて




今、私は







初めて







本気で、高次に気を許してしまった。








女友達にも、美里としか呼ばれてない。



なのに、、なのに、、


初めて、人に


名前以外の、、つまり、、


あだ名で呼ばれた。






「みっちゃん〜!!」

「何?」


「俺、そこのアイス食べたい」


「お子様だなぁ・・」


「いいじゃん、甘えたい年頃なの」



弱そうな目で見てくる高次に、


私は本当に弱い


「すいません、バニラアイスください」


一瞬にして豹変する、目。



黒くて小さな財布に

いくら入ってるかはわからないけど、


「あっ」


黒くて小さな財布が落ちた


私は急いで財布を拾う

「これって」



「うん、見ての通り・・・」





私と、友達のプリクラ・・・・・?





財布はすぐにしまわれちゃって、

今は、目の前にないけど

さっき、確かに



あいた財布のカード入れのところに


プリクラが貼ってあった

一瞬だったけど。

しっかりと顔だけは確認できて



「何で持ってるの?」


「貰った」


そういわれて


余計に戸惑う私に、高次がかけた言葉


「別に、俺美里が好きなわけじゃなくて・・」

「・・」

「その、何か話すきっかけになれば良いなと思って」

「誰と話すきっかけ?」


「俺の好きな人と」


高次のいった言葉を何度も繰り返し心の中に響かせた


自分の好きな人と話すきっかけ? 


そんなことの為に、自分のプリクラ売られたって・・




わけかわらない




「怒ってるの?」

「いや、、ちょっとショックなだけ」

「ごめんね」






「今日、もう帰らない?」

「うん、わかった。じゃぁ、帰ろ・・・う?」 





好きになろうとしてた




高次のことを、本気で好きになろうとしてた




でも、それは間違いだった



自分にとって、利益のない



ただ、前の好きだった人を忘れるための














うさ晴らしにしかすぎなかったのだった。
inserted by FC2 system