放課後

予告どおり、


高次と買い物に行くことになった。


昔から目印にしている

酒屋さんの看板の前で、5時に待ち合わせ。


待ち合わせ場所の看板が、まだ小さく見える距離

四角い形は確認できるけど 

それ以上の情報は、確認できない。


時刻は只今4時55分

我ながら妥当な時間。

遅くもなく、早くもなく

丁度良い時間だと思う


高次は、いつもの通り

私が来る前に、待ち合わせ場所に来ていた

「やっほー」

いつもの通り、高次が

声をかける

「ごめんね、いつも遅くて」

「いいよいいよ、俺が早いだけ」

そのフォローも何度も聞いた


「じゃぁ、いこう」







今日は、高次の都合で買い物。。。


何を買うんだろう、、何を買いにいくんだろう

そういう期待も、私が高次とどこかに出かけに行く度に

起こるもの。



不満なことなんて、一つもない



だからといって、楽しいことが必ずあるとは

限らない



高次が、何で私を誘ったのかは


理解できないけど、、、


今は、とりあえあず・・





「ついたよ」


バスで移動していた。


私は、自然と寝ていたらしい。。

幸い、バスの中に私の知ってる人はいなかった


「起こしてくれて、ありがと」


「起こさなかったら、俺一人で買い物行かなきゃいけないだろ」


「一人で買い物にも行けないの??」

「いや、そういうわけじゃなくて・・」



物凄く寝ぼけた自分は、、

言葉遣いも

おかしくなってて


バスを降りて、

目的地を探す。

私は、どこに行くか全く知らないから


今日は、なんとなく予想をしてみる・・・



男子の言う買い物って、何だろう。

時計とか、、?でも、、時計くらいなら

別に、私とじゃなくてもいいはずなんだけど

男だけじゃ買いにいけないもの・・・


逆に言えば、女がいないと買いにいけないもの

彼女に上げる服とか・・?


「ほら、ここ!!」


ふと看板に目を向けると、

「love ho・・・」


「違うって、ドコ見てんだよ?」

「え??」

「俺とやりたいの?」

私はしばらく無言でいた。



答えようのない、質問に



私はそのとき、答えることができなかった

「ごめんごめん、、隣の店だよ」


少し真剣に考え込んだ自分が馬鹿みたい・・・


「ねぇ、、ここどう考えても一人でこれるよね?」


「俺、一人で服買いに行ったことないんだ。だから美里に
 ついてきてもらって、選んでもらおうかと・・」


「その一人で服買うデビューの日を、私がつぶしていいの?」


「つぶすっていうか、俺が誘ったわけだし・・」



店内に入ると、Tシャツからパーカージーパンとか・・

全部男物・・・


こんな所、見るのも来るのも初めて

雑誌にだって、こんなところ載ってない。





どうすればいいか、、、わからない





「私、何もわからないけど?」

「大丈夫、多分俺よりはセンスいいはずだから」


勝手に色々と話を進めてるみたいだけど、


それでも、、なんとなく楽しいから

いいかなって、思っちゃう。


「これなんかどう?」

私が差し出したのは、 ちょっとうすでの青のパーカー

高次は、よくジーパンをはいていたような気がするから

っていうか、今もはいてるけど

それに合うのって、今動く脳みその範囲では

このパーカーしかありえない・・。 


「じゃぁ、コレ買ってくる」




といって、店をでたのは

20分後

合うサイズが、なかなかなかったらしい


結局は、倉庫の奥にしまってあったらしいけど・・・


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