何も考えられずに



頭が真っ白になった。



全く実感がないまま、



卒業式という今日のこの日を



迎えることになってしまったのだった。











仲の良いメンバーで



学校に行く。



「最後か…」



次第にこの言葉が増えていく。



足取りが重くなる。



言葉数も減ってくる。 



だけど、



そんなことにも負けずに、



話を続けようとする人がいる。



「卒業したら、どこか行こうね!!」



その言葉のたびに



さらに沈む空気。




これが、



卒業の空気なのかと



2度目の卒業式に思った。



実感もなく、



不自然に沈んだ空気が



これから卒業式に向かう私たちを奮い立たせるように



後押しをした。




学校につくと、



いつもと変わらない風景があった。



ストーブの前、



黒板の前、



ドアの前、



そして廊下、玄関に



いつもと同じ人がいた。



不思議なくらいに、



何も変わらない。



違うのは、この空気。



考えるだけで、辛くなる?



想像するだけで、辛くなる?



いつもと同じすぎて、笑っちゃうくらい。




私はそんな今日に、涙が出る。



なんで皆そんなに笑えるんだろう。







今日は卒業式なのに







今日で、最後なのに







皆、今日でバラバラなのに







一人だけ、切ない気持ちで教室に立っているのに。







そんな時、後輩が制服に花をつけに来た。



「卒業おめでとう御座います」



みんなの雰囲気が、



一気に変わる。 














卒業式が



始まった。



練習と同じ。



これもまた何も変わらないと思ったけど




周りを見ると




皆背伸びして見えた。




なんでだろう、




皆が大人に見えた。 




校長先生でさえ、




物凄く偉い人に見えた。




「卒業おめでとう」




何気ない校長先生の言葉にも




いちいち感動していた。








卒業式の終わりには




3年間の思い出がのしかかる。




私が最後に笑うことが出来たのは




良い思い出が沢山あったから、




なんて、きれいごとを言ってみたり。










校門を抜ける。







これで終わったんだ。







もう、皆で会うことはないんだ。







合格発表で、







全員あえるわけじゃない。







もう、皆で会うことはないんだ。







でも信じてる。







また何年か後に







皆であえるって。







皆と過ごした3年間が







またよみがえってくるって。







卒業


おわり。2008,3,12(Wed)




中学校卒業記念



小説らしくないんだけど、



記念に書いておく。



inserted by FC2 system