不安を食べて




日曜日の午前中



私は、なぜか学校にいる



部活でもなんでもなくて、、なんとなく学校にいる



理由がさっぱりわからない。




そして、私は


ゆっくりと、学校をでる階段に向かう



玄関前ホールに直結している、狭く、長い階段




そして、長い階段を降りながら考えること








何で私はここにいるんだろう








意味がわからない、、



「何してるの?」



が問う


「自分でもわからない」


って、たまにわからないところあるよ

 いま、がここにいるってことは

 自分でちゃんとした、考えがあってきてるんでしょ?」


「違う、、自分でなんできてるか真剣にわからない」


はあきれた顔で私のほうを見た


肩からずり落ちたスクールバックを、肩にかけなおし


もう一度私のほうを見ていった


「じゃぁ、一緒に考えようよ」


一瞬と惑った。


まさか、こんなこと言ってくれると思ってなかった。


「うん、、」


うつむき加減で答える私の表情は曇ってばっかりだった


実は、少し乗り気でなかった。


今、何日なのか、何曜日なのか


そして、今ここは本当に学校なのか



不安だらけ、質問だらけ、謎だらけ





と私は場所を考えることにした


「おじゃましまーす!!」


考える場所は、私の家


「そういえば、の家にくるのって初めてかも!!」


は明るい、ハイテンションだった・・


若干ついていけないテンションだったけど、


私は、我慢した。


「そ、、そうだっけ?」


「そうだと思う!!絶対そうだって!!」


やっぱりテンションが高い・・



「まぁ、そんな話どうでもいいよ」


「ゴメンゴメン!!なんでが学校にいたかでしょ」


は、本当に真剣に考えてくれるのか


急に不安になった


、コピー用紙とシャープ持ってきて!!」


メモ帳じゃないのかなーとか


心配しながら、私は


に、近くにあった赤いシャープと


A4のコピー用紙を5枚手渡した


「ありがとう!まずは整理しなきゃいけないよね

 おきたのは何時?」


「今日・・?おきたっけ?」


「おきたっけ??って、、おきてなきゃ今どうしてんのさ・・」


ハイテンションもここで、テンションを下げた。


というか、


この流れで、テンションが下がるって言わないか・・


「今日・・ゴメン思い出せない」


「起きた時間も思い出せないの?」


「何も思い出せないんだよ・・

 思い出せるのは、と会ったときくらいから」


「こりゃ、何かの障害だよ。

 あっ!お母さんとかに聞けばわかるんじゃない?」


障害・・・



「残念、うちの母さん今お父さんと旅行いってるから」


「思いだせてるじゃんか・・」


思い出せてるけど、、


でも、必要最低限はわかるって言うか


本当に、記憶喪失なら


日本語も喋れないと思うけど



そうこうしてるうちに


がうちにきて、1時間たった




コ ン    コン



「え?の家誰もいないんじゃないの?」


「うち、弟いるから」


「ねーちゃんはいていいー?」


「だめー」


「じゃぁ、お菓子食べちゃうよ??」


「入っていいよー」



クスクス



ができる限り声を抑えて笑い出す


おもしろーい!!」


「うるさいよー


こんな小さな会話でも10分たってしまっている。。


時間とまってくれないかなー。


「ごめん、普通に時間たちまくってるね」


「別に、が謝ることじゃないよ」


この微妙な空気に耐え切れなくなったのか、


弟は、後ずさりで私の部屋から消えていった。


そのとき、気付いた。


弟の、かかとのバンソウコウ・・・・・・・・


の弟って、可愛いよね」


「顔の傷が、なんか子供の喧嘩を想像させるよ」


「顔の傷・・・?」


何気なく自分が見過ごしていた弟の顔の傷


実は、何かあったのかな。


喧嘩したのかな。


、思い出すことない?」


「え?」


「朝、弟と喧嘩したとか。。」


朝 弟と喧嘩?




もしかしたら・・あったかもしれない。


「朝、喧嘩したわ!」


「何で喧嘩した?もしかしたら、それが原因というか。。

理由なのかもしれないよ、今回のことの」


「わからない・・」


このひとことが

の心に


ヒットしたらしく


机を両手で思いっきりたたき


こっちを、にらみつけ


の、その言葉いい加減腹立つよ」


え?


もしかしてさっきのわからないってことばかな・・


私の眉間にしわが寄った瞬間


、いい加減あんたの芝居に付き合うのはあきたよ」


「何が?」


さ、、記憶ないとか、わからないとか

ドウセ嘘なんでしょ?」


最初は何のことを言ってるのかさっぱりわからなかった。


って、言っちゃ悪いけど友達少ないから

 かまってほしいから、こういうことして

 私を誘ってるんでしょ?」






長い沈黙が続く



























「ごめん」


「最初からわかってたよ、

 何で本当のこといわないの?」


「いや、言えなかった。

途中から、嘘ついてることにかなり罪悪感

感じてきたけど」


そう、、


全て・・嘘・・・




「黙ってれば、それだけばれないけど

 ばれたときに困るのは、自分だって」


「わかってるよ」



ちょっとキレ気味でいったひとことが


にどういう意味でとられてるかは、


想像するまでもない


さ、そこまでうち信用できない?」


「え?」


、友達いないわけじゃないじゃん」


「いないよ、、一人も」


ちょっと笑いながら、言われた


もっていた麦茶の入ったコップを


テーブルの上に静かに置く


水面が、全く揺れることはなかった


嘘じゃ、ないんだなと思った


「最後まではひどいね・・

 うちの友達だとずっと思ってたんだけど」


、、ありがとう」


「そんな嘘つかなくても、には友達いるんだから」


ってこんなに優しかったかな・・


友達ってこんなに暖かかったかな・・




私に親友ができた


今日という日・・・





おわり。



inserted by FC2 system

inserted by FC2 system