そして、別れを告げる日。土曜日。


「次、どこいく?」
「そこにある、レストラン寄ろうよ」

気持ちは、勿論沈みっぱなし。

今日は、いつも以上に楽しくない。

楽しい気持ちが、出てきたら

もう、一生京介と

別れる決心がつかなくなるから

このまま、一緒にいるのが

嫌だから・・・

「話があるんだけど」
「何?」

何も知らない京介がかわいそう

せっかく、誘ってくれたのに

私はひどい奴だ。

「もう、別れない?」
「え、なんで?」
「なんかさ、私が京介と喋っていることに違和感がある気がする。」
「ないよ、違和感なんて」

ソースが、絶妙にかかったハンバーグを

口の中に入れ、食べながらの返答は

ここまでの、私の決心を全て無駄にした

「だから、ちゃんと聞いてる?」
「聞いてるよ、続けて」
「それでさ、京介と付き合ってたら
 次の、別のことに集中できないわけ
 だから、別れたいんだけど」
これで、一応簡単に理由を説明できた。

伝わっているかは、京介しだいだけど

「美枝子と俺が別れるのは、今は無理だと思うよ」
「なんで?私は今すぐにでも別れたいの」
「俺たちが付き合ってるのは
 お互い好きだからだろ。
 好きって気持ちは、別れても消えないんだ
 別れても、好きの気持ちが消えなければ
 集中できなくなるのは、一緒だよ」

もっともなことを、いわれた

確かに、集中できないのは

私が、京介のことを好きだからだ

あきらめきれない気持ちのまま

別れたって、いつも結果は変わらないから・・。










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