「遅い!」


「いいじゃん、、まだ時間じゃないし」


「俺なんてもう30分も待ってさぁ・・」



30分も前にここに来てくれた

そういうこと小さなことでも、


本当に嬉しい。





早速行き先を決める。

そんなにこの遊園地は、広くない

目玉は、おそらくジェットコースターで


私は、一回だけ友達と

そのジェットコースターに乗ったことがある。


「メリーゴーランド乗りたい!」


「えぇ・・・あれ、小学生しか乗ってないよ」


「いいじゃん、小学生も高校生も一緒だって」


「全然違うけど・・」


半ば強引に、


メリーゴーランドに乗った。




でも乗ったのは、 


白い馬とかじゃなかった。



かぼちゃが、魔法をかけられて変身するやつ


「馬車・・?」


「うん、だって馬だったら一人乗りじゃん」


「ゆうた、、近いよ、、、」


最初は、20cmもあった二人の距離が


1周・・・2周・・・

全部で10周のメリーゴーランドで

徐々に二人の距離が縮まっている


「俺、思うんだ」


目線は、今私のところにない


正面を向いたまま


「何?」


「このまま、理沙と一緒にいたいとは思うけど」


「けど・・・・」



「理沙以外の女がみれなくなるのが、悔しい」


「何言ってるの?」

「コレから何十年も生きていくのに
   理沙しか見れないんだぜ?」

私以外の女とも、付き合いたいってこと・・




「なら、別れる?」


「え?」

私は、冷酷だ


自分の誕生日なのに、


彼氏に別れを告げ、


一生心に残る誕生日に

いとも簡単にしたてあげることができてしまう。



自分が別れようといってしまったことに対して


実は物凄く後悔してしまった


ゆうたのこと、嫌いじゃない

ゆうたと、これからもずっと一緒にいたい

ゆうたのこと、まだ好き



でも、もう言ってしまったことは

取り消せない


後悔した



「別れない?」


今度こそ本当に取り返しがつかなくなった



フォローする言葉が出てこなかった。


本当は別れたくないけど 


って、、


いえなかった

「別れない」


私の予想とは反した答えが帰ってきた


二回も別れようって言ったのに


別れない


って・・・・・・・・・・



「有り難う」

「理沙はそれでいいんでしょ?」

「うん、でもなんで・・」


「今、おれ理沙のこころを見え透いた」 

「ありがとう」




そして、時間がたった
















ジェットコースターも、かんらんしゃも


皆のった


観覧車で、何かあるとおもったけど


期待とは裏腹に、

何もなかった





すっかり日が落ちて、


テンションだけは、上がってて


空き缶があたりに散らかっているような風景があって


それをゴミ袋にいれていく青い服のおばちゃんがいて 


ここが、いかにも遊園地だなって


思えるようになり



「これ・・」



差し出したのは、

ゆうたからの誕生日プレゼント


「今、あけていいよ」


「あ、これって!」


私が、密かに欲しがっていた

小さいキーホルダー


白いウサギ


「これ、理沙に似てるだろ?」

「似てないよ・・」


薄ら笑い


徐々に話題が消えて 


徐々に、帰る時間が迫って


「ばいばい!」

「またね」























誕生日、良い思い出ができた








 







2006,12,1(Fri)
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