翌日の学校で


いい噂を、友達に聞いた

「昨日山野に聞いたんだけど、山野は
 理沙と・・」




「良い所で切るなって・・ 続きめっちゃきになる」






「言った方がいい?



理沙とどこか行きたいって言ってたよ」


「まじで?ってか、うちのゆーたに話しかけるなって」

「話しかけて無いからぁ!!」


物凄く嬉しかった。

噂だけかもしれないけど、、

嘘なのかもしれないけど、、

そういう話は、嘘でも、噂でも



好きだ。



「理沙、このさいだから誘っちゃえば?」

「いやだ、断られたくないもん」


じれったい自分に嫌気が指すことはない。

昔から、変わらない

私の考え方。





目の前にあったガラスの透明な花瓶に、

自分の醜い顔が映る。

「あぁ・・嫌だなぁ」

「理沙、何やってんだよ」

突然、後ろからゆうたの声がした。


自分の醜い顔を見てたなんて言えない。

ナルシストだって思われる・・

「自分の美しい顔に見とれてた?」

「違うって!!」




図星だけど。

いや、醜いなぁと思って見ていただけだけど・・

今、そんなことをいったら墓穴を掘っているみたいだ

でも、事実じゃないなら未だ弁解の余地はある。。

いや、、まてよ、、別にナルシストだと思われたとは限らないし・・


頭の中がパニックになった。

「じゃぁ、何?」

「花瓶に映る自分の顔を醜いなぁと思いながら見てた」


本当のことを言ってしまった・・

あぁ・・ ナルシスト確実。

「っていうか、理沙は醜くないよ」

「なんで??超キモイじゃん」

「自分ではそういってても、やってることは正直だね」





最初は、言ってることが全くわからなかったし・・・

何を考えているかさえ、想像することもできなかった

状況は、理想の二人きりの教室でのこと。



「ごめん、意味わからない」

「俺なら、醜くて気持ちわるい自分の顔を

 ずっと見ているだなんて事できないけど」

それって、褒められてるのかな・・・・・?

微妙な考えが頭をよぎった。



「ねぇ・・・・本当にそう思ってる?」

「何でそんなこと聞くの?」

「いや、なんとなく」



「思ってるよ。もちろん」






「ありがとう」


なんとなく、言ってしまった一言に

私なりの、勇気がこめられていた。

勝手な、想像かもしれないけど

でも、その想像が本物なら

褒めてくれてるんだなって


「だってさ、理沙可愛いじゃん」






















だってさ、理沙可愛いじゃん


















一生、ゆうたの口から聞くことはないと思っていたけど

今、中3の夏


聞いてしまった


やった。


その言葉を言われてから、少しうつむき気味になっていた私に

ゆうたが同じようにうつむき気味で話しかける

「きっと、この中学校の誰もがそう思ってると思うよ」


ゆうたは、どうして

人をここまで喜ばせることができるんだろう・・・


私は、ゆうたの足元をふと見た。



しっかりと、大地を踏みしめるように

両足は、自信に満ちたふうに

仁王立ちのように・・・



「そんなこといっても何もでないよ?」


「でなくていいよ、別にそんな気で言ってないし
 事実でしょ?」

「ごめん、、」

そういって、私は教室から去った。



教室から出た瞬間に、

鐘が鳴った・・・・


授業はサボった。

そして、私は保健室で


仮病を使って、休んでいた。。。


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